2019年08月29日 07:08

生態系とは、何

2019.9.1  生態系とは、何
 夏至が過ぎると短日性の野菜や草花は夜の長さを測り、花を咲かせては種をつくる。その丸やひし形や毛に覆われた小さな種を手にして、面白い・不思議だ!、と思った人は多いことだろう。
  私も子供のころ、まだ遺伝子などと云う言葉を知らない時分に、こんな小さな種が、どうしてあんなになるんだろうと不思議でならなかった。小さな種から大きな野菜が育ち、花の種は美しい花を咲かせる。種だけを見ても何の種だかさっぱり分からないが、その種の中には先祖からの必要な情報がぎっしり詰っており、親と同じ力を持つ姿となってよみがえる。本当に魔法の一粒である。
 地球には500万~3000万の動植物種がいるというが、山形山にも数百種の草木が自生する。昆虫や微生物を入れると果てしない数の生き物が共生しているはずである。その動植物の生態系のバランスが少しずつ崩れ消滅してしまった種、消滅しつつある種が多いと研究者たちは嘆き警鐘を鳴らす。バランスが崩れると一体どうなるのか、我々の生活にどんな影響が出るのか、何となく想像はつくが、まだ誰も知らない。開拓当初の山形山農場の野菜の育ち方から生態系とはを推察すると、譲り受けたころの畑は山を切り崩しただけの荒れ地でミミズもモグラもネズミもいなかった。何故だろうか。ミミズの餌となる土壌微生物が棲みつく前だったので食物連鎖が成立つ食物ピラミッドが形成されていなかった。そのため次の命をつなぐ食べ物がなく野菜さえ育たなかった。
 そんな事も知らずに無生物の大地に野菜の種を蒔いた。やっぱり未熟野菜と奇形野菜しか育たなかったことを無知の経験で覚えている。勿論、有機農業には不向きな農地であった。有機農業の条件は「農地が生態系で満たされている事」が大前提なので、生態系の整っていない農地では本物の食糧は作れないのである。
 十数年前、生態系の一部が壊される大騒動が起きた。それはネオニコチノイド系農薬が原因と思われる事件で、この農薬は殺虫効果が高いことから世界中で使用され、そして間もなく世界各地で蜜蜂の大群が神経を侵され大量に死んだ。その結果、蜜蜂の媒介で受粉する果実や牧草等の虫媒介作物の生産量が減り、果実や乳製品が品薄となって価格を跳ね上げた。これと同じようなことが春になると山形県でもサクランボやトマト、カボチャ畑でミツバチが飛んでいるか、農家たちの胸は騒ぐ、花に群がる昆虫が少し減少しただけでも生態系が狂い、生産量が落ち食品価格に反応する。もし海洋汚染が進み動物プランクトンが大量死に至ったら、それこそいったいどうなるだろうか。安定した食生活で豊かな人生を望んでいる私たちの・・・自然に対する気配りがもう一歩踏み込んで考える時期に入ったようだ。
 虫の音に少し秋来る稲穂哉  山形山
 


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