2018年03月28日 12:07

わくわく苗づくり

2018.3.1  わくわく苗づくり
 雪解けの水が小川に満ちてくるとネコヤナギが芽吹きだす。いよいよ山形山農場の種蒔きも始まる。今年も評判の良い品種を蒔くことにした。キャベツなら渡辺採種場の『楽園』がいい、小気味いい芳香を放ち夏の暑さを吹き飛ばすシャキシャキ音が際立って涼しげなことから人気が高い。そしてナスは『黒べえ』ほんのり甘く瑞々しい果肉は炎暑でも食欲をかきたてる味覚しっかり潜ましている。焼きナスは何本食べても足りない旨さを持ち、マーボーなんかもいい。ニラなら『たいりょう』が旨い。幅広の葉はほのかな甘味を持ちお浸しにするとその旨さが分かる。ニラのお浸しは決して茹で過ぎないこと、新ニラなら15秒前後がしゃりしゃりっとした感じでいい。玉子とじは子供たちの大好物、疲れを癒すニラ料理は免疫力を高めるおかずとしていつも食卓にあって欲しい。夏の薬味は何といっても九条ネギが一番、さわやかな芳香とやさしい緑のコンビネーションはさっぱり系の冷麦の無味をきりっと引き締めながら麺の旨味を引き出してくれる。
 コリンキ―の美味しさも最近は認知されつつあり作り甲斐が出てきた。コリンキ―の魅力は歯触りの心地よさだけでなく、咀嚼音の音楽的なところがおもしろい。その特性をもう一口奏で、かみ砕く音色を楽しめる野菜である。カボチャは『ダークホース』がいい。ぽくぽく好み人にはたまらない至福の時をもたらしてくれる。
美味しくて安全な野菜を作るには適地適作を原則としなければならない。環境に適した種子は病害虫への抵抗性も強く、遺伝子の持つ防御機構が働きやすく、有機農業には鉄則の定石と思っている。偶然にも幸いなことには、山形山農場と同じ緯度に実験農場と研究所を構える渡辺採種場があり、その同緯度の会社の種子を蒔き山形山農場は何十年も病気に悩まされることもなく野菜を育てる事が出来た。 
33年前にも偶然があった。都会から天童市に移り住んで間もない頃、山形山農場の話が持ち上がり入手する事が出来た。しかも隣接する農地とはかけ離れ、農薬の飛散を心配する必要のない農地だった。これならどこよりも安全な野菜が作れると二つ返事で決めたのを覚えている。いくつかの偶然が重なり、みなさんとの関係も築くことが出来た。この偶然に感謝しながら野菜づくりをやってきた。今年も美味しい野菜を目ざして種を蒔こう。


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