2019年03月

2019年03月27日 20:57

2019.4.1  小さな命の発芽の知恵

 配送センターの隣にビニールハウスが3棟並んでいる。真ん中のハウスの一隅をサイハン(ポニー)の冬用の厩舎として、残りを野菜の育苗プールに活用している。今年は、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、子供ピーマン、九条ネギ、幅広ニラ、黒べえ茄子、を3月中旬に蒔いた。
キャベツやブロッコリー、カリフラワーは、播種後6日目にキレイに発芽が揃い元気に育っている。それなのに他の野菜は芽吹きの気配もない。何故だろうか。植物の発芽条件は「水と空気と温度」であり、それが適正であれば発芽するはず。ところがナスやピーマンはそうはいかない、発芽後も大量の水を吸い上げて生長する性質から、キャベツやブロッコリーのようにたやすく発芽を決めてしまうと、長い生育期間中に、いつ水不足に会い子孫を残せないまま枯死する危険もあり、軽々には発芽しない仕組みを作っている。
発芽失敗が起きないように、種子はわざわざ硬い皮を造り、その種皮の表皮には念入りに発芽阻害物質を作り、水が十分にあるか確認できるまで発芽をブロックしている。その発芽阻害物質は水溶性で作られ水に浸っていると次第に溶ける仕組みで、長い日数、水に浸されると発芽阻害物質は溶け出しブレーキ機能を失ってしまう。   
発芽阻害物質が水に溶け終わると、そのシグナルを受けた発芽促進物質が種子に発芽スイッチを入れ芽吹きを始動させる。誠に慎重で単純だが賢いシステムには感動と感心が重なった。農業は「命の尊さ」が観えるから嬉しい。
植物にとって水は何よりも大事な必需品、一度発芽すると 「しまった!」 と思ってもやり直しがきかないのを植物たちは知っている。だから発芽は神経質なほど慎重でなければならない。そうでなければ子孫の繁栄を永続的に望めるものでもない。植物が水の有無を確認するために発芽阻害物質を造り硬い種皮に組み込ませた仕組みの発明も、結果は単純だが明快な知恵に学ぶところが多い。すばらしい先駆者だと思う。
地球上のすべての生き物に己の身体を食べ物として与え、しかも絶滅することなく永遠に繁殖を続けている。その大胆で堅実で賢い生き方を形成したのも、何億年もの間、自然災害と向き合い、命の危機を繰り返しながら編み出された英知の姿なのでしょう。
植物はとにかく賢い生き方をしている。生きている姿にまったく無駄が見当たらない。猛暑が続くと葉の縁を焼いて身体を縮め、虫に襲われると天敵昆虫を呼んで補虫させる。干ばつには全身を丸めて水の蒸散を抑え。エネルギーが不足すると躰を太陽に向けて光合成をたかめる。素晴らしい生き物である。
生きる知恵を教わりながら、今日もその命に感謝して戴く。 山形山


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