2016年03月

2016年03月18日 14:25


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                      3月17日 マンサクの花
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淡い蕗の薹
 白鳥の家族が田んぼの落ち穂を腹一杯食べ、蒼い大空から別れを告げて帰った。鳥たちの北帰行が始まると山形山農場の雪解けが始まる。そして、いよいよ暖かい春がやってくる。堅雪をザクザクと踏み鳴らし農場内を見回りすると、大きな足音に驚いてか根開きに潜んでいた白兎が飛び出し一目散に林にかけ込んで行った。そう言えば今年は野兎の被害が少ない。日当りのいい場所では蕗の薹が芽吹き、マンサクの花も金色に輝いていた。木々は越冬芽を残雪にちりばめ、江戸小紋の絵柄を見るようで早春の景色はなかなかのアートである。

 小汗をかきながら歩くと越冬芽の剥がれ落ちた梢に小さな芽が吹き出し里から帰った小鳥たちがせっせとやわらかな芽をおいしそうに啄ばんでいる。時折り飛び立っては細い声で囀りを奏でて見せる。この囀りを聴くと私も種蒔きの準備に入らねばならない。昨日、配送センターのお母さん方の手伝いでプール育苗台を完成させた。栽培品目は毎日食べてもおいしいキャベツやナス、ピーマン、オクラ、その他の品目も予定している。

 全作物が露地栽培なのでガッチリした小苗でなければならない。節間の短い小さな苗ほど定植後の育ちが良い、プール育苗は小苗づくりに適した育苗法だが、ちょっとの気のゆるみで節間がヒョロヒョロと伸びる事も、また栄養不足になることもあり水管理と温度管理は油断はできない。苗づくりの技の真価を試される一瞬なので一日数回の見回りも欠かせない。ズングリ育った小苗は定植後の育ちが驚くほど速く、無農薬栽培の苗はこうでなければ病害虫に太刀打ちできる野菜に育たない。苗半作とは誠にありがたい教訓を残してくれたものだ。

 嬉しいことにお母さん方が種まきを覚えたいから、種まきを手伝わせて欲しいと言って来た。家庭菜園を楽しんでいる人たちだが、苗はいつも買って育てゝいるらしい。野菜づくりの究極のおもしろさは一粒一粒、自分の手で種を蒔く事から始まる。そんなことで3/28日はキャベツとカリフラワーの播種を指導した。苗箱は30㎝✕60㎝のプラスチック容器で128の升穴になっている。その升穴に無菌土に5%の粉炭を混ぜた床土を入れ、イボ付き鎮圧ローラ―でしっかり鎮圧する。この鎮圧が弱いと根張りが不安定になり良い苗は出来ない。鎮圧ローラーで窪んだ穴に種を蒔き覆土もていねいにする。蒔き終えた苗箱は水稲用の苗箱に乗せ、水を張ったプール育苗台に並べて苗箱の底から給水をさせる。決して上から水を撒いてはならない。またキャベツなどは嫌光性種子なので新聞紙で遮光するだけで発芽が良くなる。一週間後の4/3日には、もう可愛い芽が揃って出ていた。

 種を蒔き、苗から育てたナスやキュウリ、トマトは、みな自根なので接ぎ木の市販苗とは味や香りも違い、本当の野菜のおいしさを楽しめる。種から菜園を是非たのしんでいただきたい。

  囀りにさがす四つ葉のクローバー  黛まどか





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